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夢の中で
眠っていた
夢の中で見ていた夢が
夢の中の部屋の窓の
向こうにあるような気がした

夢の中の部屋の
朽ちかけた窓がガタガタと風に鳴る
錆びついた鍵
ほこりが結晶のように張り付いたガラスの
向こうにあるような気がした

それもまた夢のようで

窓に幾重にも区切られた
夢の世界が並んでいるかのようだ
思い出せない数々の夢
私はそのどこにいるのだろう

 

 

 

一炊の夢 

柳川たみ

無文芸

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